自宅出産後の女性達は自分らしいお産を成し遂げたと実感を得ることで、自分への信頼も増すわけですが、家族間の新しい絆の構築という結果がついてくることに驚きと感謝の気持ちを口にするようになります。
さらに母子間、父子間、バートナー間の絆の確認と増幅の渦が、周りを巻き込む力となり、必然に裏打ちされた人生がエスカレーターのように動き出します。
果たして男性にも妊娠・出産に相当するほどのターニングポイントがあるかどうか考えてみると、思いつきません。
お産自体を体験しえないそんな男達に女性が人生のターニングポイントを預けてきたことは残念な歴史だと思います。
それは女性達が男性的になろうと志向したわけではないにしろ、結果的に男達がしがみついてきた「生産性」という名の幻想のステージに組み込まれてしまった残念な歴史だったともいえます。
それに反比例するように出生という「生産性」は減少の一途を辿るとは誰も予想できなかったわけです。
時代は男女間の違いを克服し男女差を縮めることに追い立てられて来た印象があります。
男女平等意識、社会進出の機会も増えた現代日本が置き忘れてきたものは「男女の違い」を認めることにあると思います。
その相互理解を深めるために、いのちを生み出す性が女性であり、その女性として生まれてきたことへの肯定感を疑いなく持てる機会が自宅出産体験により多く腹んでる気さえするのです。
と同時に「男女の違い」をただ認めて敬う時代がやってくるとの予期感が自宅出産をした人達が得た絆の中から芽生えていると信じたいと思います。
自宅出産を自立した女性として選択する場合、自己確認のワークにもなり得るわけですが、意外にも特筆すべき収穫はバートナー、家族、周りの人達のサポートなしではお産が成立しないことを知り、時には他者に自分を委ねることの心地よさを体験することにあります。
その瞬間から自立は一人で生きる力にあらずと知ることになります。
そして、お互いが繋がるという気持ちのいいコミュニケーションのひな形が家という単位から始まり広がることに希望が見えてきます。
自立とは家との関係を断ち切って前へ進むことではなく、自分を成長させるための安全基地をいかに増やしていけるかということにありそうです。自分が立つ拠点が増えていけば心置きなく冒険へと旅立つ機会も増えると云えるでしょう。
そんな実感を自宅出産を通して持つことのできた女性は、やがて自らの委ねる体験を社会へと手放し始める訳です。その自然発生的な広がりがやがて全体を変えていくことは間違いないでしよう。
核家族化も極めれば新しい家族の繋がりを求める時代へと動き出すと、自宅出産体験者達から光明を見てとれます。
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